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アルカリ性洗剤とは



今回はアルカリ性の洗剤に着目し、その特徴や使い方についてお話ししたいと思います。



液性表
液性表

アルカリ性という呼び名は「液性」の分類の1つです。液性はpH(ピーエイチ)を単位とする0~14の数値の範囲で分類します。


ph6~8を中性とし、ph6未満を酸性、8を超えるとアルカリ性となります。このうちpH3未満を酸性、pH3以上~pH6未満を弱酸性、pH8超~pH11以下は弱アルカリ性、pH11を超えるとアルカリ性に細分されます。



特徴と用途

アルカリ性洗剤は酸性の汚れを中和して落とす目的で使われる洗剤です。特に中性洗剤では落とせないような頑固な油汚れに効果を発揮します。


一般家庭で水と混ぜて使われる重曹はpH8.2の弱アルカリ性です。中性洗剤で落ちない中程度の汚れは刺激の弱い重曹が有効です。


手あか汚れなどの軽い汚れは中性洗剤または弱アルカリ性の洗剤で十分ですが、キッチン周りの油汚れや焦げ、換気扇やレンジフード等の頑固な油汚れには最初からアルカリ洗剤を使った方が効率が良くなりますが、効果が高い分刺激も強くなりますのでその点は注意が必要になります。



【使う場所】

ガスコンロ、レンジフード、換気扇、シンク、冷蔵庫、電子レンジ、浴室など


【効果のある汚れ】

油、皮脂、手あか、焦げ付き、食べかす、飲み残し、血液、タバコのヤニ、カビ



使い方

【軽い汚れ】

ドアノブやスイッチパネル等の手あかや皮脂などの軽い汚れには手荒れの心配が少ない弱アルカリ性の洗剤を使います。


まずはぞうきんに洗剤を付けて力を入れずに軽く拭き取るようにします。次に洗剤を付けたぞうきんとは別のぞうきんを用意して洗剤分を残さないように水拭きをしましょう。最後は清潔なぞうきんでの乾拭きを忘れずに。


【頑固な汚れ】

ガスコンロや換気扇などの頑固な汚れにはより洗浄力の強いアルカリ性洗剤を使います。


汚れに直接アルカリ洗剤を付けて放置してください。しばらくすると汚れが浮いてきますので、後はぞうきんなどで拭き取るだけです。


一度で落ち切らないときはもう一度洗剤を付けて放置してください。何度か繰り返せばスッキリと落とせるはずです。こちらも洗剤分は残さず綺麗に拭き取るようにします。最後は清潔なぞうきんでの乾拭きを忘れずにしてください。


素材への影響が心配な箇所はいきなり広範囲に洗剤をかけたりせずに、狭い範囲を部分的に試すようにしてください。それで変質や変色などの問題が無かったら全体のおそうじに使うようにします。



使用上の注意点

油汚れに抜群の効果を発揮するアルカリ洗剤ですが、使う上でいくつか気を付けておかなければならないことがあります。以下にまとめましたのでこれらに注意するようにしてください。


【手荒れ・肌荒れ】

アルカリ性の洗剤は油汚れだけでなく手や肌に必要な油も落としてしまいますので、素手で使うと手荒れや肌荒れを起こしてしまいます。長時間触れると皮膚の表面を溶かしてしまうこともありますので、使う時にはゴム手袋などで確実に保護してください。


【使えない素材】

アルミニウムに使うと素材が黒く変色してしまうばかりか、有毒ガスが発生して危険です。また天然石(大理石など)も変色・変質することがあります。


塗装面、木製品(フローリングや家具など)、タイル目地、フッ素コート(剥がれる恐れがある)、畳、動物系の天然素材(シルクやウール、カシミヤなど)などもこの可能性があるので使用を避けてください。


どうしても使いたい場合には洗剤の注意書き等をよく見て適性を確認し、使う時には最初に狭い範囲で試して異常が無いことを確認してからにしてください。



まとめ

アルカリ性洗剤は頑固な油汚れに抜群の効き目があります。油を使うキッチン周り等に頑固な油汚れが溜まってしまったらアルカリ性洗剤を使いましょう。使う時は最後に洗剤分が残らないように拭き取るのがポイントです。


但し、効果が高い分刺激もかなり強いので、使う際には手袋や場合によっては保護メガネ等を使用するなど安全に配慮して使うようにしてください。


また、使う場所を間違えてしまうと素材を傷めるなど取り返しがつかない結果になることもあるので、洗剤の注意書きをよく確認してから使うようにしましょう。







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